トン先生のほんねトーク : 2017年03月の記事

日々に新たに 835 赤ら顔

だんだん気温が上がってきました。

ここ2,3日は花粉症も落ち着いています。

金沢はあと1週間くらいで桜の開花宣言も出そうですね。

いよいよ春本番の予感がしてきました。

それにしても、今日で3月も終わり。

今年も4分の一終わってしまいました。

時間が経つのが早いです、、。

湿疹が出て痒く赤いのでもなく、毛細血管拡張症で血管がチリチリ浮いているのでもなく、頬が赤い女性がいます。

ダーモスコピーでみても特に特徴的な所見はない。

でも、血行が良いというか、皮膚が薄いというか、どういう訳だか、いわゆる赤ら顔の方はいます。

そして、お風呂上りにはさらにその赤さが目立ちます。

以前は、ビタミンC、Eやトランサミンの内服をして、ビタミン導入をお勧めしていました。

もちろん、この治療で赤みは徐々に改善はするのですが、さらに何かないかと色々探したところ、漢方薬も効いてくれることがあること分かってきました。

西洋医学では大きな血管を治療することが主です。

もちろん西洋医学では血液をサラサラにする内服薬はいっぱいあるのですが、サラサラにする目的は血栓予防です。

微小循環を改善する薬は、ビタミンEくらいでその他にはほどんどない。

これに対し、漢方薬には微小循環を改善する内服薬がちゃんとあるのですね。

いわゆる赤ら顔(ニキビによる赤ら顔ではなく)には桂枝茯苓丸が効く人もいます。

更年期障害によるホットフラッシュなどに効く漢方もあります。

漢方はその人の証(体質)に合わせて薬を探していくという考えが必要な様です。

で、やはり、いわゆる赤ら顔は治療は難しいという結論です。

難しいのですが、お悩みの人が多いのも事実です。

で、医者心としては何とかしてあげたいな~~と思いつつ、患者さんの体質に合わせて、あれはどうか、これはどうかと色々考えて治療をしているというのが本音のところです。

 

 

日々に新たに 834 粟粒性狼瘡

さて、今日は木曜日で手術を無しにしてお休みにしました。

3月は外来が忙しいです。

でも、春休みなので夕方の駆け込みがないだけ救われます。

花粉がかなり飛んでいるので、耳鼻科の先生方は皮膚科の先生より忙しいじゃないかな~と思っています。

花粉飛散が収まって来るにはあと2週間はかかりそうです。

これも顔の赤みが出る疾患です。

顔面播種性粟粒性狼瘡と言います。

粟粒状のプツプツの赤い湿疹様で、一見ニキビに見えるのですが、よく見るとブヨブヨしています。

大きさは1~2ミリ程度の粒がびまん性に頬、鼻、眉間に広がっています。

普通のニキビ治療をしてもなかなか治りません。

治療はテトラサイクリン系の抗生物質を1~2か月内服するとだんだん良くなります。

ミノサイクリン系の抗生物質はあまり効果が期待できなく、テトラサイクリン系の抗生物質が奏功します。

抗生物質以外の治療はほぼなく、抗生物質を長く飲むことには基本的に僕は反対なのですが、これは例外的疾患で、1~2か月くらい飲まないと全然治りません。

これも、皮膚科に通院しているのだけど全然治らないと行って来院されることが多い病気です。

拡大鏡で患部を観察すると、1~2ミリの粒が赤く肉芽腫様でブヨブヨしているのが特徴です。

播種性粟粒性狼瘡は、他医で脂漏性湿疹や酒さ、ニキビなどと診断されていたりしていて、その治療を受けても全然良くならないし、どんどん悪化して顔全体に広がってくる。

患者さんは不安になるし、見た目も赤いのでやたら目立つ。

抗生物質を2週間くらい飲むと粒の盛り上がりが少し平らになって、赤みも少しずつ退いて来ます。

この辺りで患者さんも少し安心するようです。

で、その後も治療を継続し、2か月くらいにはほぼ完治。

やっぱり大切なのは確実な診断だと思っています。

 

日々に新たに 833 脂漏性湿疹 頭

今朝も寒いです~~。気温3度、、。

日中は大分暖かくなりましたが、それでも風が冷たい、、。

夜もまだ寒いですね、、。

最低気温がもう少し上がってくれればいいのですが、、。

ちょっと顔の赤さからは脱線しますが、この際頭の脂漏性湿疹についても述べておきます。

頭にフケがついて洗っても洗ってもフケが無くならない、、、。

このような場合は脂漏性湿疹になっている可能性があります。

先日も言いましたが、フケを取ろうと思って頭皮をゴシゴシ洗うことがいつまでも治らない原因になります。

シャンプーを色々試したが全然よくならないと患者さんは言います。

シャンプーのせいではないので、当たり前と言えば当たり前なのですが、、。

従って、こちらの指導に従って薬を塗って飲んでくれればだんだん良くなります。

つまり、ステロイドローションと抗真菌剤ローションとを混ぜて洗髪後に地肌に塗り、ある程度かゆみが無くなってきたら抗真菌剤のローションだけにする。

内服は、抗アレルギー剤とビタミンB2,B6で、これは顔の場合と同じです。

ただ、頭の場合も再発しやすいので要注意。

皮膚って擦ると全然良くないのです。

体を洗うのも石鹸は使ってもいいのですが、何をおいても手で撫でて洗う。

もちろん石鹸は皮脂を取り過ぎないものがいいと思います。

垢も取り過ぎないことが肝心です。

皮脂を取りすぎると、皮膚は潤いがなくなったと判断し、さらに皮脂を出して表皮を潤おそうとする。

これが悪循環になる原因だということを本当に分かってほしいと思っています。

 

 

日々に新たに 832 酒さと脂漏性湿疹2

今年は花粉症が酷いですね、、。

僕もスギ、ヒノキにアレルギーがあるようで、朝起きがけにくしゃみ連発です、(汗)。

鼻水もタラ~~です。

春は嬉しいのですが、花粉症があると毎年悩まされます、、。

まあ、しょうがないとは言え鬱陶しいですねえ、、(汗)。

脂漏性湿疹は鼻周囲に多い赤みが目立つ湿疹です。

酒さが鼻と鼻先の毛細血管拡張であるのに対し、脂漏性湿疹は始めは皮膚炎で赤いだけですが、炎症が長く続くと毛細血管も拡張して来てさらに赤く見えるようになります。

脂漏性湿疹の他の好発部位としては頭です。

頭の脂漏性湿疹については明日書きます。

皮脂分泌が活発な部位(脂漏部位)に起こる湿疹で、鼻周囲、ほうれい線、眉毛周囲が赤く皮膚がボロボロします。

まず、顔での治療ですが、経過が長いものが多く、再発しやすいのが特徴です。

長く経過したものはカビの発生が起こるので、一般的にはステロイドローションと抗真菌剤のローションを混ぜて塗布します。

内服としては、抗アレルギー剤とビタミンB2,6です。

多くの患者さんは赤みが目立ちますし、顔なので何とかならないものかと思う気持ちはよく分かります。

脂漏性湿疹は表皮がボロボロ剝けて来るので、それが嫌で洗顔時にそのボロボロを一生懸命擦り取る方が多いですね。

でも、これがいけません。

その時はボロボロが取れてスッキリするのですが、1~2日後にはボロボロがさらに倍になって出てきます。

これを繰り返しているとどんどん治りにくくなります。

湿疹の治療の大原則は、掻かない、擦らない!

これをよく理解し、根気よく治療して欲しいと思っています。

 

日々に新たに 831 酒さと脂漏性湿疹1

今年のスギ、ヒノキの花粉飛散はかなり例年より多い感じがします。

昨日もゴルフしてましたが、目と鼻が、、。くしゃみ連発です。

そうそう、鼻および鼻周囲の赤い疾患に酒さと脂漏性湿疹があります。

酒さは大部分が鼻先に起こります。

いわゆる赤っ鼻の状態です。

アルコールの長期多飲が原因だと言われていますが、長年の炎症によって鼻先が団子鼻の状態で、皮膚も厚くなっています。

ダーモスコピーで診ると毛細血管がかなり拡張してしまっています。

この治療はなかなか難しい、、。

レーザーで治療することもあるのですが、医者としてもあまり手を出したくない部位の1つです。

というのも、鼻は顔の真ん中にあって、とにかく患者さんが気にする部分だからです。

レーザーを使って拡張した毛細血管血管をつぶしても、1か月後の炎症により酒さの赤さよりもっと赤くなって目立つのです。

で、もちろん半年くらいするとその赤さは消えて来るのですが、赤さが目立つ時期は本人も辛い。

医者としても時間を待ってくださいというしかない。

もちろん、照射前にそのことも重々説明して行うのですが、こんなに赤くなるとは思わなかったという人もいます。

アルコールを長期に多飲する方は、精神的にも弱い方も多く、顔の真ん中にある鼻の赤さばかりを気にして精神的に参ってしまう方が少なからずいるのです。

良かれと思って治療しているのですが、患者さんの満足度が低い。

僕は美容外科で一番治療が難しいのが鼻だと思っています。技術的という意味ではなく精神的にです。

鼻は顔の真ん中にあり、とにかく気にしやすい部位なのです。

酒さの治療は当クリニックでもあまり積極的には行わない方針です。

20年間も酒さがあるような方が、突然治療して欲しいというような場合はその動機が良く分からない、、。

患者さんが治療によって、より前向きにそして幸せになることが一番肝心で大切なことだと考えています。

従って、美容に関しては僕自身がきちんと納得しないと治療はしないことにしています。

これは、30年間美容外科をやって来た経験からの結論であり、絶対譲れない方針です。