トン先生のほんねトーク : 2017年03月の記事
日々に新たに 830 毛細血管拡張症
今朝はまたグンと寒いです~~。
気温2度、、、。
3月も後半なのに!って感じです、、。
なかなかスッキリ春になってくれないな~~・・・。
なんだかストレス溜まります~~(笑)。
そうそう、赤い疾患。
毛細血管拡張症もその一つです。
皮膚の浅い所に細い血管がチリチリ浮いて見えます。
頬、鼻に多くみられる疾患です(酒さもその一つ)。
皮膚が薄いこともその原因にはなりますが、繰り返す炎症により毛細血管が太くなってしまい血液が滞る状態です。
酒さの場合はアルコールの長期多飲が原因だと言われています。
治療は色々あるのですが、積極的に治すにはレーザーが有効な場合が多い。
つまり拡張した血管をつぶしてしまう。
ヤグレーザー、ダイレーザーなども有効です。
当クリニックでは、そこまで積極的に治療を行う必要があるかどうかは、患者さんの意見を尊重して治療方針を決めています。
あとは、ビタミン導入を定期的に行っていると毛細血管拡張は少しずつ改善します。
ビタミンC、Eの内服も良いと思います。
そしてさらに於血を治す漢方薬の内服。
これもいいと思います。
例えば桂枝茯苓丸ですね。
これは抹消循環の於血を改善する効果があるので、例えば下肢の紫斑などにも効果があります。
直接(レーザー、ビタミン導入など)あるいは間接的(内服)に色々な手を使って治療する。
いわゆる複合治療ですが、多角的に治療することが功を奏します。
日々に新たに 829 クモ状血管腫
日の出の時間が早くなってきているようです。
5時10分頃には東の空が明るくなってきました~~。
なんだかちょっとホッとするというか、やっぱり嬉しくなります。
クモ状血管腫!
これも顔面に多い血管腫です。
年齢を問わず、小学生のお子さんにもできます。
始めは小さな赤い点なのですが、時間とともに少しずつ大きくなり、毛細血管が赤い点の周囲にクモの足状に広がってきます。
ニキビかな?と思っている人もいますが、いつまで経っても全然なくならない、、。赤さがとれない。
そして、だんだん大きくなって来て1センチくらいになることが多く、赤さが目立って来ます。
治療は、局所麻酔下にレーザーで血管を焼き切ります。
この治療は保険適応外です。
一回の治療で90%くらいの血管をつぶすことが可能です。
照射後は、1週間くらい軟膏と肌色のテープを貼ってもらっています。
もちろん、洗顔なども普通に行えます。
その後は、約1か月後には多少赤みがありますが、これは血管腫の再発ではなく、炎症による赤みなので3~4か月もするとだんだん赤みが薄くなり、普通の皮膚の色になります。
たまにですが、血管拡張の程度が強く深い場合があります。
この場合はやはり血管腫を切除縫合する以外に方法はありません。
血管腫の切除縫合は保険適応になります。
クモ状血管腫は放置してもいいのですが、治療しないとほぼなくなりません。
赤さが全然消えないので、毎日鏡を見る女性には結構鬱陶しいようです。
日々に新たに 828 老人性血管腫
連休明けの2日が終わりました、、。
予想以上に忙しく大変でした。
で、昨日の夕方にはぐったり、、。
もちろん歩いて帰ったのですが、ホッとする体験。
なんと鶯が鳴いてくれました(喜)。
春を告げる鶯の”ホーホケキョ!”
癒されました~~。
老人性血管腫は名のごとくは老化によるものです。
光老化はあまり関係していません。良性の腫瘍です。
顔面だけでなく体のどこにでも出来ますが、首、前胸部やお腹に多いのが特徴です。
一見して血豆のようで、普通は大きさは1ミリ~3ミリ程度ですが、大きいものは5ミリくらいのものもあります。
あまりに大きく深いものは切除縫合となることもあります。
一般的な治療は、小さなものでしたら冷凍凍結療法を数回すれば綺麗になくなりますが、大きいものは局麻下にレーザーで焼却することもあります。
再発はほとんどしませんが、体質として老人性血管腫が出来やすい方はいます。
僕の左腕にも2ミリくらいのがあったのですが、先日冷凍凍結療法をしたところ、1回で綺麗になくなって痕も残っていません。
治療は老人性いぼの冷凍凝固と似たようなものです。
単なる液体窒素で凍らせる方法ですが、その当て方が強すぎると水ぶくれにもなりますし、弱すぎるとなかなかなくなってくれません。
まあ、この辺は長年の経験で大体このくらい強さで当てると丁度いいというのが分かっているので、外来で普通に行っています。
一回にあまり沢山はできません。
保険適応の治療なので、一回に一部位というか、顔面なら顔面、前胸部なら前胸部という風に範囲を限定して行っています。
病院に何回も来るのが面倒という方は、予約をしてもらって、局麻下にレーザーで治療します。
この場合は保険適応外になります。
費用は一個8000円~10000円くらいです。
どちらが綺麗に取れるかというとやはりレーザーの方が結果が良いと思います。
まあ、その方の考え方で、時間がかかっても徐々になくなればいいという方は冷凍凝固、さっさと一気に沢山取ってしまいたいという方はレーザーをお勧めしています。
普通の皮膚科に行っても「老化だから放っておいていいよ」と言われることが多い老人性血管腫ですが、やはり美意識の高い方は取り去りたいようです。
僕は、見栄えに関してはその人の考えに従って治療をすればいいと思っている方なので、積極的には治療をお勧めすることはありません。
でも、沢山あって目立つようなら、カッコ悪いので、僕も取ってしまいたいと思う方です。
やっぱり見てくれは大事なのです。
日々に新たに 827 顔面の赤い疾患
東京で桜の開花宣言がされましたね。
毎年のことですが、この便りを聞くとホッとします。
一昨日、東京に行っていたのですが、その時は飯田橋、市ヶ谷や靖国神社辺りの桜は全く咲いておらず、桜のつぼみも硬いままでした。
実際に散歩していたので桜の開花はまだだな~という印象でしたよ~。
そして、昨日の開花宣言!
ついつい本当かな??と思ってしまいます(笑)。
茶色いシミ、青あざ、悪性腫瘍と来て、次に何かをと思うとやはり赤かな~~。
顔面に多い血管腫としてよく遭遇するのが、歳をとってくると出て来る老人性血管腫でしょうか。
一般の方は赤いホクロという表現をされる方が多いですね。
これも、老化の1つの現象です。
そして、もう一つはクモ状血管腫、あるいは毛細血管拡張症なども赤い。酒さと言われるものも赤い。
脂漏性湿疹も赤くなる。
最近特に多い(スギ、ヒノキの花粉の時期)アレルギー性の皮膚炎でも肌は赤くなる。
もちろんこれらは血管腫ではありません。
赤ら顔の原因も色々あるのですが、やはり基本的には毛細血管の拡張と血液のうっ滞が原因のようです。
漢方で言う於血も影響していると思います(毛細血管に血が滞っている)。
もちろん、教科書的には子供さんに多い血管腫は、単純性血管腫、海綿状血管腫、イチゴ状血管腫です。
さて、何からお話を始めたらよいか、。
今回は肌の老化をテーマとしているので、まずは老人性血管腫から始めることにします。
日々に新たに 826 メラノーマ
連休明けです~~。
今日明日は当然のごとく忙しそうです。
天気は2連休とも良くて、春らしかったのですが、花粉がかなり飛んでいました。
日曜はゴルフしてましたが、もう目はショボショボ、くしゃみ鼻水、、。
この時期はスギ、ヒノキの飛散が多くて花粉症の方は大変です。
僕も目薬をさして、抗アレルギー剤飲んでます。
さて、顔に限らず体のどこにでもできる悪性腫瘍でもっとも悪性度の高いのがメラノーマ(悪性黒色腫)です。
顔より手のひらや足の裏に発生しやすいのが特徴です。
初期の段階ではホクロと区別がつきにくく、ダーモスコピーでしっかりみて判断するのですが、疑わしい時には切除縫合が必要になります。
メラノーマは日光が原因でおこるものではなく、慢性的な刺激によって発生すると言われています。
最近はマスコミの影響もあり、過度に足や手のホクロを気にする方も多く来院されています。
ほとんどは色素性母斑(いわゆるホクロ)なのですが、たまに少し怪しいと思うような場合もあり、切除縫合して組織を病理検査に出しています。
メラノーマの厄介なところは転移を起こすことです。
従って、全身の検索と治療が必要になりますのでなるべく早期の治療が望ましいことは言うまでもありません。
さて、初期の症状としては、ホクロやシミに似た黒褐色のできものではあるのですが、
1、病変の形が左右非対称性
2、辺縁がギザギザしていて整っていない。色がにじんだように見える。
3、同じ病変内で色調が淡褐色から黒色まで混在していて、均一でない
4、大きさ(直径)が5mm以上
5、大きさや形状、色調、表面の様子に変化がある
などのような場合はなるべく早く皮膚科を受診する方がよいと思います。