トン先生のほんねトーク : 日々に新たに 834 粟粒性狼瘡
日々に新たに 834 粟粒性狼瘡
さて、今日は木曜日で手術を無しにしてお休みにしました。
3月は外来が忙しいです。
でも、春休みなので夕方の駆け込みがないだけ救われます。
花粉がかなり飛んでいるので、耳鼻科の先生方は皮膚科の先生より忙しいじゃないかな~と思っています。
花粉飛散が収まって来るにはあと2週間はかかりそうです。
これも顔の赤みが出る疾患です。
顔面播種性粟粒性狼瘡と言います。
粟粒状のプツプツの赤い湿疹様で、一見ニキビに見えるのですが、よく見るとブヨブヨしています。
大きさは1~2ミリ程度の粒がびまん性に頬、鼻、眉間に広がっています。
普通のニキビ治療をしてもなかなか治りません。
治療はテトラサイクリン系の抗生物質を1~2か月内服するとだんだん良くなります。
ミノサイクリン系の抗生物質はあまり効果が期待できなく、テトラサイクリン系の抗生物質が奏功します。
抗生物質以外の治療はほぼなく、抗生物質を長く飲むことには基本的に僕は反対なのですが、これは例外的疾患で、1~2か月くらい飲まないと全然治りません。
これも、皮膚科に通院しているのだけど全然治らないと行って来院されることが多い病気です。
拡大鏡で患部を観察すると、1~2ミリの粒が赤く肉芽腫様でブヨブヨしているのが特徴です。
播種性粟粒性狼瘡は、他医で脂漏性湿疹や酒さ、ニキビなどと診断されていたりしていて、その治療を受けても全然良くならないし、どんどん悪化して顔全体に広がってくる。
患者さんは不安になるし、見た目も赤いのでやたら目立つ。
抗生物質を2週間くらい飲むと粒の盛り上がりが少し平らになって、赤みも少しずつ退いて来ます。
この辺りで患者さんも少し安心するようです。
で、その後も治療を継続し、2か月くらいにはほぼ完治。
やっぱり大切なのは確実な診断だと思っています。