トン先生のほんねトーク
日々に新たに 836 ニキビによる赤ら顔
4月1日なりました。
今日から新年度が始まります。
年末年始も区切りとしていいと思いますが、新年度のこの時期はまた一つの区切りです。
新しい生活が始まる方も多いと思います。
就職や進学で、新たな人生の第一歩を踏み出す!
自分もそうだったのですが、大学に進学した時には一人暮らしになり生活もガラッと変わりました。
新たな気持ちで医者になる第一歩を踏み出したという自覚がありました。
で、それからずいぶん時間が経って、僕の場合、今の齢になると新年度といっても特に大きな変化はないようになってしまいました(笑)。
まあ、人生はそういうのでいいのだとは思いますが、大きな変化がないのもちょっとなんだかな~~なんて思ってしまいます。
そうそう、顔面の赤い炎症のお話、、。
一般的に多いのは、なんと言ってもニキビの炎症で顔が赤くなることだと思います。
肌荒れによってニキビが悪化し顔が赤くなる。
化膿して膿を持ったニキビが散在すると顔は赤く腫れます。
随分前になりますが、ニキビのことをブログに沢山書きました。
もう、これでもか!というくらい書きました。
2011年12月に25話も書いています。
それにしても、2011年ってずいぶん昔だな~と思ってしまいますね、、(汗)。
ニキビ治療は、基本的にはその頃とはあまり変わらないのですが、最近の取り入れている治療としては漢方薬もありますので、この辺りを少し加えて書いておくのもいいかな~~と思い、来週からはニキビ治療のことをしばし書いておきたいと思っています。
当クリニックにはニキビの治療を求めて来院される方が後を絶ちません。
他医に行っても全然治らない、、。
そういう方が沢山来院されています。
来週からは、このブログがその方達の治療の指針になり、少しずつでもニキビが改善する方向に行って欲しいという願いをもって書いてみたいと思っています。
日々に新たに 835 赤ら顔
だんだん気温が上がってきました。
ここ2,3日は花粉症も落ち着いています。
金沢はあと1週間くらいで桜の開花宣言も出そうですね。
いよいよ春本番の予感がしてきました。
それにしても、今日で3月も終わり。
今年も4分の一終わってしまいました。
時間が経つのが早いです、、。
湿疹が出て痒く赤いのでもなく、毛細血管拡張症で血管がチリチリ浮いているのでもなく、頬が赤い女性がいます。
ダーモスコピーでみても特に特徴的な所見はない。
でも、血行が良いというか、皮膚が薄いというか、どういう訳だか、いわゆる赤ら顔の方はいます。
そして、お風呂上りにはさらにその赤さが目立ちます。
以前は、ビタミンC、Eやトランサミンの内服をして、ビタミン導入をお勧めしていました。
もちろん、この治療で赤みは徐々に改善はするのですが、さらに何かないかと色々探したところ、漢方薬も効いてくれることがあること分かってきました。
西洋医学では大きな血管を治療することが主です。
もちろん西洋医学では血液をサラサラにする内服薬はいっぱいあるのですが、サラサラにする目的は血栓予防です。
微小循環を改善する薬は、ビタミンEくらいでその他にはほどんどない。
これに対し、漢方薬には微小循環を改善する内服薬がちゃんとあるのですね。
いわゆる赤ら顔(ニキビによる赤ら顔ではなく)には桂枝茯苓丸が効く人もいます。
更年期障害によるホットフラッシュなどに効く漢方もあります。
漢方はその人の証(体質)に合わせて薬を探していくという考えが必要な様です。
で、やはり、いわゆる赤ら顔は治療は難しいという結論です。
難しいのですが、お悩みの人が多いのも事実です。
で、医者心としては何とかしてあげたいな~~と思いつつ、患者さんの体質に合わせて、あれはどうか、これはどうかと色々考えて治療をしているというのが本音のところです。
日々に新たに 834 粟粒性狼瘡
さて、今日は木曜日で手術を無しにしてお休みにしました。
3月は外来が忙しいです。
でも、春休みなので夕方の駆け込みがないだけ救われます。
花粉がかなり飛んでいるので、耳鼻科の先生方は皮膚科の先生より忙しいじゃないかな~と思っています。
花粉飛散が収まって来るにはあと2週間はかかりそうです。
これも顔の赤みが出る疾患です。
顔面播種性粟粒性狼瘡と言います。
粟粒状のプツプツの赤い湿疹様で、一見ニキビに見えるのですが、よく見るとブヨブヨしています。
大きさは1~2ミリ程度の粒がびまん性に頬、鼻、眉間に広がっています。
普通のニキビ治療をしてもなかなか治りません。
治療はテトラサイクリン系の抗生物質を1~2か月内服するとだんだん良くなります。
ミノサイクリン系の抗生物質はあまり効果が期待できなく、テトラサイクリン系の抗生物質が奏功します。
抗生物質以外の治療はほぼなく、抗生物質を長く飲むことには基本的に僕は反対なのですが、これは例外的疾患で、1~2か月くらい飲まないと全然治りません。
これも、皮膚科に通院しているのだけど全然治らないと行って来院されることが多い病気です。
拡大鏡で患部を観察すると、1~2ミリの粒が赤く肉芽腫様でブヨブヨしているのが特徴です。
播種性粟粒性狼瘡は、他医で脂漏性湿疹や酒さ、ニキビなどと診断されていたりしていて、その治療を受けても全然良くならないし、どんどん悪化して顔全体に広がってくる。
患者さんは不安になるし、見た目も赤いのでやたら目立つ。
抗生物質を2週間くらい飲むと粒の盛り上がりが少し平らになって、赤みも少しずつ退いて来ます。
この辺りで患者さんも少し安心するようです。
で、その後も治療を継続し、2か月くらいにはほぼ完治。
やっぱり大切なのは確実な診断だと思っています。
日々に新たに 833 脂漏性湿疹 頭
今朝も寒いです~~。気温3度、、。
日中は大分暖かくなりましたが、それでも風が冷たい、、。
夜もまだ寒いですね、、。
最低気温がもう少し上がってくれればいいのですが、、。
ちょっと顔の赤さからは脱線しますが、この際頭の脂漏性湿疹についても述べておきます。
頭にフケがついて洗っても洗ってもフケが無くならない、、、。
このような場合は脂漏性湿疹になっている可能性があります。
先日も言いましたが、フケを取ろうと思って頭皮をゴシゴシ洗うことがいつまでも治らない原因になります。
シャンプーを色々試したが全然よくならないと患者さんは言います。
シャンプーのせいではないので、当たり前と言えば当たり前なのですが、、。
従って、こちらの指導に従って薬を塗って飲んでくれればだんだん良くなります。
つまり、ステロイドローションと抗真菌剤ローションとを混ぜて洗髪後に地肌に塗り、ある程度かゆみが無くなってきたら抗真菌剤のローションだけにする。
内服は、抗アレルギー剤とビタミンB2,B6で、これは顔の場合と同じです。
ただ、頭の場合も再発しやすいので要注意。
皮膚って擦ると全然良くないのです。
体を洗うのも石鹸は使ってもいいのですが、何をおいても手で撫でて洗う。
もちろん石鹸は皮脂を取り過ぎないものがいいと思います。
垢も取り過ぎないことが肝心です。
皮脂を取りすぎると、皮膚は潤いがなくなったと判断し、さらに皮脂を出して表皮を潤おそうとする。
これが悪循環になる原因だということを本当に分かってほしいと思っています。
日々に新たに 832 酒さと脂漏性湿疹2
今年は花粉症が酷いですね、、。
僕もスギ、ヒノキにアレルギーがあるようで、朝起きがけにくしゃみ連発です、(汗)。
鼻水もタラ~~です。
春は嬉しいのですが、花粉症があると毎年悩まされます、、。
まあ、しょうがないとは言え鬱陶しいですねえ、、(汗)。
脂漏性湿疹は鼻周囲に多い赤みが目立つ湿疹です。
酒さが鼻と鼻先の毛細血管拡張であるのに対し、脂漏性湿疹は始めは皮膚炎で赤いだけですが、炎症が長く続くと毛細血管も拡張して来てさらに赤く見えるようになります。
脂漏性湿疹の他の好発部位としては頭です。
頭の脂漏性湿疹については明日書きます。
皮脂分泌が活発な部位(脂漏部位)に起こる湿疹で、鼻周囲、ほうれい線、眉毛周囲が赤く皮膚がボロボロします。
まず、顔での治療ですが、経過が長いものが多く、再発しやすいのが特徴です。
長く経過したものはカビの発生が起こるので、一般的にはステロイドローションと抗真菌剤のローションを混ぜて塗布します。
内服としては、抗アレルギー剤とビタミンB2,6です。
多くの患者さんは赤みが目立ちますし、顔なので何とかならないものかと思う気持ちはよく分かります。
脂漏性湿疹は表皮がボロボロ剝けて来るので、それが嫌で洗顔時にそのボロボロを一生懸命擦り取る方が多いですね。
でも、これがいけません。
その時はボロボロが取れてスッキリするのですが、1~2日後にはボロボロがさらに倍になって出てきます。
これを繰り返しているとどんどん治りにくくなります。
湿疹の治療の大原則は、掻かない、擦らない!
これをよく理解し、根気よく治療して欲しいと思っています。