トン先生のほんねトーク
日々に新たに 881 ガングリオン
今日は手術日ですが、手術をなしにしました。
で、今日はゆっくりします。
で、話は良性腫瘍ガングリオン。
この腫瘍は、発生別に2種類に分かれます。
腱鞘から発生するガングリオンと関節包から発生するガングリオンです。
どちらもゼリー状の透明な液体が詰まっています。
治療は基本的には摘出なのですが、始めから摘出を勧めることはありません。
当クリニックでは、まず、治療と診断を兼て30ゲージの細い針で局所麻酔をした後に、内容を注射器で吸引したり、あるいは圧砕して様子をみます。
これでガングリオンが再発しなければ治療は終了です。
しかし、多くの場合また2~3週間経ってガングリオンの袋にゼリー状の透明な液体が溜まって来ることが多く、患者さんの意向にも寄りますが、再発しやすいガングリオンは摘出することになります。
ガングリオンは手の部位に発生しやすいので、人前に手を出すと目立ちます。
それが嫌で取ってしまいたい方も多くいらっしゃいます。
腱鞘ガングリオンは、腱鞘から発生するので比較的摘出は楽ですが、
関節庖から発生するガングリオンは茎が関節まで達しており結構深いので、摘出に難渋することも多くあります。
また、関節包から発生するガングリオンには、同部位に娘(ドーター)と言われる小さな関節包ガングリオンも存在し、そのドーターが新たに大きくなってガングリオンになることもあります。
これは正確に言えば再発ではないのですが、同じ部位にまた出来てきたので、患者さんは再発したと思うようです。
そういう意味では、術前にガングリオンの摘出後は再発がありえますと言って手術をすることになります。
あるデータによると、形成外科医や整形外科医が手関節のガングリオンを摘出して再発する確率は10%くらいだと言われています。
また、珍しいですが、神経を圧迫して痛いようなガングリオンの場合は摘出する必要があります。
そういう意味では、関節包から発生するガングリオンの摘出は難しいと言って良いと思います。
日々に新たに 880 ガングリオン
今日で5月も終わりです~~。
なんだか5月は長かったような印象です。
ゴールデンウィークのせいでしょうか?
どうしてだか良く分かりません~~(笑)。
さて、脂肪腫の説明も終わりました。
まあ、まだ書いていきますが、皮下腫瘍には本当に沢山の種類があるのですね。
今日は日常の外来でよく出会う皮下腫瘤であるガングリオンについて書いておきたいと思います。
ガングリオンは良性の腫瘍です。
指や手足関節にできものが出来て悪性ではないかと思って不安になって来院される患者さんの中には、
「あ、これはガングリオンだと思います」と言うと、患者さんはその”ガン~”という言葉にすぐに反応してしまい、癌なんだと思って急に暗くなってしまうこともあります。
これは困ったことなのですが、それだけ不安を抱えながら病院に来ているということの裏返しなのでしょう。
で、「癌ではなく、ガングリオンという良性の腫瘍だと思います。」と付け加えると急にホッとした顔になります。
もう一度言いますが、ガングリオンは良性の腫瘍です。
ご安心ください。
よく考えたら、若い人はネット検索ですぐにできもの(腫瘍)が何でありそうか検索できるのですが、ある程度ご高齢の方はネット検索はあまりしないので、不安になるのも当然だと思います。
もちろん、診断する僕の方としても、ガングリオンは容易に診断がつきますが、それでも99.99%くらいだと思っています。
もちろん、視診、触診でガングリオンという診断を外したことはありませんが、こと診断においてはも僕は100%と言うのは避けるようにしています。
僕は、人生において、あるいは生きるすべての事象において、100%のことなんてほんのわずかしかないと思っているからです。
人間が生まれ死ぬことは100%確実なことだと思いますが、それ以外のもので100%というものはなかなかなさそうな気がしているのです。
最近の若者は、仕事が終わって上司に仕事内容を報告する場合、「完璧です」とよく言うそうですが、僕は若い時からそんな言葉を発したことがない(そういえば最近若者は「了解です」ともよく言いますね、、)。
どこか心の底で”完璧なんてない”と思っているからなのです。
皆さんはいかがでしょうか?
あ、また話が逸れてしまった、、(汗)。
日々に新たに 879 脂肪腫
今朝も昇る朝日がしっかり拝めました。
有難いことです。
この時期になると朝の散歩をする方が増えてきます。
歩きながらですが、あちらこちらでせっせと歩く姿をみているのもいいものです。
ダイエットか体力作りか、はたまた老いの防止かどうか分かりませんが、皆それぞれ頑張っているな~~って感じで、僕も元気をもらいます。
さて、脂肪腫の摘出です。
普通は切開して腫瘍を取り出し縫合し、取ったものは病理検査に出します。
その摘出の方法ですが、吸引しちゃったらいいんじゃないの?傷も残らないし、、というご意見もあるのは確かです。
吸引は出来ないことは無いのですが、まず、大きくなった脂肪細胞の皮膜を全部吸引でとりきれるかどうか分かりません。
吸引してぐちゃぐちゃにしてしまうので判断がつかない。
つまり、取り残しの可能性がある。
そして、ここが一番重要なのですが、もし、万が一腫瘍が脂肪肉腫だったら悪性細胞をまき散らしてしまうことになる。
これは絶対いけません。
倫理的にも絶対してはいけないことなのです。
手術によって悪性細胞を転移させてしまうことになるのです。
患者さんを死なせることになる、、。
だから僕は脂肪腫摘出の吸引法は絶対しません。
脂肪腫は確率が1%以下でも悪性の可能性があるのです。
当たり前ですが、吸引法は保険適応でもありません。
保険のことはさておいても、医者は医の倫理に反することは絶対してはいけないのです。
日々に新たに 878 脂肪腫 摘出
今朝は雲一つない晴天!
東の方から朝日が昇って来る瞬間を見ることが出来ました。
とても綺麗で神々しかったです。
この時期はいいですね~~、朝日が拝める。
そして朝日からパワーがもらえます。
全身に朝日を浴びると体と心が元気になります。
お天道様はやっぱり大日如来だなあと実感する瞬間です。
そうそう、脂肪腫。
皮膚から触ってわりに浅いなあ~と思っても結構深いことがあります。
背中の脂肪腫の場合、広背筋や他の筋肉の中まで入り込んでいるものもあるので注意が必要です。
まあ、MRIやCTなどの検査で情報を得るのも良いのでしょうが、結局のところ実際に脂肪腫を見て摘出するしかない。
筋肉の中まで入り込んでいる場合は、筋肉を切断することなく愛護的に深部まで分け入り、脂肪腫を摘出します。
30年も形成外科の手術をしているので、僕自身、脂肪腫摘出件数はかなり多い方だと思います。
で、どんな場合にも対処できる手術手技は持ち合わせていると思っています。
手メスなどといいますが、指で組織を剥がしていき、出血を極力抑える技術もあります。
だから、脂肪腫の場合に限らず、組織を出来るだけ傷つけないようにして手術をすることが大切だと思っています。
しかし、どんな手術であっても油断は禁物です。
術前に、太い血管、神経のある部位を再度きちんと頭に叩き込んで、その血管をなるべく切らないように、神経はなるべく触らないようにして愛護的に手術を行うのです。
これはどんな手術にも言えることです。
大きな脂肪腫になるほど、こういった手術前のシュミレーションが大事になることは言うまでもありません。
毎回術前は、当たり前のことを当たり前にして手術をさせてもらっています。
日々に新たに 877 皮下腫瘍 脂肪腫
なんだか今年も早く過ぎるな~~って感じです。
来週はもう百万石祭り~~。
北陸新幹線が開通したことで、ここ最近はさらに祭りが盛り上がってきているような気がしますね。
外国の方も本当に多くなりました。
まあ、来週の土曜もクリニックは普通に診療なので、僕はやっと忙しい診療が終わってからちょこっとテレビ中継で百万石祭りを見るくらいです。
毎年こんな感じです~~(笑)。
そうそう、皮下腫瘍の代表的なものがもう一つ。
脂肪腫です。
これも日常診療で普通に出会う腫瘍。
もちろん良性です。
これも発生機序は不明ですが、一個の脂肪細胞が皮膜を作ってだんだん大きくなります。
治療は局所麻酔下に摘出しかない。
体のどこにでも出来ますが、背中のものは大きくなる傾向があります(というか長年放っておいたからですね)。
大きいものでは、大人のこぶし大くらいになります。
まあ、もっと大きいものもありますが、一般的にはそのくらいになると患者さんも不安になるようで、摘出希望で来院されます。
脂肪肉腫との鑑別も必要なので病理検査は必ず行います。
30年くらい形成外科医をしていますが、脂肪肉腫に出会ったことは本当に珍しく、僕の手術した経験では99%以上良性の脂肪腫です。
まあ、なにか良く分からない皮下腫瘍が出来たらあまり放っておかず、なるべく早期に形成外科を受診して摘出する方が良いと思います。
脂肪腫も大きくなると取るのにも大変です。
切開線も長くなるし、、。
脂肪腫はやはり小さいうちに摘出するのがいいと思っています(手術する方も楽)。