トン先生のほんねトーク

日々に新たに 831 酒さと脂漏性湿疹1

今年のスギ、ヒノキの花粉飛散はかなり例年より多い感じがします。

昨日もゴルフしてましたが、目と鼻が、、。くしゃみ連発です。

そうそう、鼻および鼻周囲の赤い疾患に酒さと脂漏性湿疹があります。

酒さは大部分が鼻先に起こります。

いわゆる赤っ鼻の状態です。

アルコールの長期多飲が原因だと言われていますが、長年の炎症によって鼻先が団子鼻の状態で、皮膚も厚くなっています。

ダーモスコピーで診ると毛細血管がかなり拡張してしまっています。

この治療はなかなか難しい、、。

レーザーで治療することもあるのですが、医者としてもあまり手を出したくない部位の1つです。

というのも、鼻は顔の真ん中にあって、とにかく患者さんが気にする部分だからです。

レーザーを使って拡張した毛細血管血管をつぶしても、1か月後の炎症により酒さの赤さよりもっと赤くなって目立つのです。

で、もちろん半年くらいするとその赤さは消えて来るのですが、赤さが目立つ時期は本人も辛い。

医者としても時間を待ってくださいというしかない。

もちろん、照射前にそのことも重々説明して行うのですが、こんなに赤くなるとは思わなかったという人もいます。

アルコールを長期に多飲する方は、精神的にも弱い方も多く、顔の真ん中にある鼻の赤さばかりを気にして精神的に参ってしまう方が少なからずいるのです。

良かれと思って治療しているのですが、患者さんの満足度が低い。

僕は美容外科で一番治療が難しいのが鼻だと思っています。技術的という意味ではなく精神的にです。

鼻は顔の真ん中にあり、とにかく気にしやすい部位なのです。

酒さの治療は当クリニックでもあまり積極的には行わない方針です。

20年間も酒さがあるような方が、突然治療して欲しいというような場合はその動機が良く分からない、、。

患者さんが治療によって、より前向きにそして幸せになることが一番肝心で大切なことだと考えています。

従って、美容に関しては僕自身がきちんと納得しないと治療はしないことにしています。

これは、30年間美容外科をやって来た経験からの結論であり、絶対譲れない方針です。

 

 

 

 

日々に新たに 830 毛細血管拡張症

今朝はまたグンと寒いです~~。

気温2度、、、。

3月も後半なのに!って感じです、、。

なかなかスッキリ春になってくれないな~~・・・。

なんだかストレス溜まります~~(笑)。

そうそう、赤い疾患。

毛細血管拡張症もその一つです。

皮膚の浅い所に細い血管がチリチリ浮いて見えます。

頬、鼻に多くみられる疾患です(酒さもその一つ)。

皮膚が薄いこともその原因にはなりますが、繰り返す炎症により毛細血管が太くなってしまい血液が滞る状態です。

酒さの場合はアルコールの長期多飲が原因だと言われています。

治療は色々あるのですが、積極的に治すにはレーザーが有効な場合が多い。

つまり拡張した血管をつぶしてしまう。

ヤグレーザー、ダイレーザーなども有効です。

当クリニックでは、そこまで積極的に治療を行う必要があるかどうかは、患者さんの意見を尊重して治療方針を決めています。

あとは、ビタミン導入を定期的に行っていると毛細血管拡張は少しずつ改善します。

ビタミンC、Eの内服も良いと思います。

そしてさらに於血を治す漢方薬の内服。

これもいいと思います。

例えば桂枝茯苓丸ですね。

これは抹消循環の於血を改善する効果があるので、例えば下肢の紫斑などにも効果があります。

直接(レーザー、ビタミン導入など)あるいは間接的(内服)に色々な手を使って治療する。

いわゆる複合治療ですが、多角的に治療することが功を奏します。

日々に新たに 829 クモ状血管腫

日の出の時間が早くなってきているようです。

5時10分頃には東の空が明るくなってきました~~。

なんだかちょっとホッとするというか、やっぱり嬉しくなります。

クモ状血管腫!

これも顔面に多い血管腫です。

年齢を問わず、小学生のお子さんにもできます。

始めは小さな赤い点なのですが、時間とともに少しずつ大きくなり、毛細血管が赤い点の周囲にクモの足状に広がってきます。

ニキビかな?と思っている人もいますが、いつまで経っても全然なくならない、、。赤さがとれない。

そして、だんだん大きくなって来て1センチくらいになることが多く、赤さが目立って来ます。

治療は、局所麻酔下にレーザーで血管を焼き切ります。

この治療は保険適応外です。

一回の治療で90%くらいの血管をつぶすことが可能です。

照射後は、1週間くらい軟膏と肌色のテープを貼ってもらっています。

もちろん、洗顔なども普通に行えます。

その後は、約1か月後には多少赤みがありますが、これは血管腫の再発ではなく、炎症による赤みなので3~4か月もするとだんだん赤みが薄くなり、普通の皮膚の色になります。

たまにですが、血管拡張の程度が強く深い場合があります。

この場合はやはり血管腫を切除縫合する以外に方法はありません。

血管腫の切除縫合は保険適応になります。

クモ状血管腫は放置してもいいのですが、治療しないとほぼなくなりません。

赤さが全然消えないので、毎日鏡を見る女性には結構鬱陶しいようです。

 

日々に新たに 828 老人性血管腫

連休明けの2日が終わりました、、。

予想以上に忙しく大変でした。

で、昨日の夕方にはぐったり、、。

もちろん歩いて帰ったのですが、ホッとする体験。

なんと鶯が鳴いてくれました(喜)。

を告げる鶯の”ホーホケキョ!”

癒されました~~。

老人性血管腫は名のごとくは老化によるものです。

光老化はあまり関係していません。良性の腫瘍です。

顔面だけでなく体のどこにでも出来ますが、首、前胸部やお腹に多いのが特徴です。

一見して血豆のようで、普通は大きさは1ミリ~3ミリ程度ですが、大きいものは5ミリくらいのものもあります。

あまりに大きく深いものは切除縫合となることもあります。

一般的な治療は、小さなものでしたら冷凍凍結療法を数回すれば綺麗になくなりますが、大きいものは局麻下にレーザーで焼却することもあります。

再発はほとんどしませんが、体質として老人性血管腫が出来やすい方はいます。

僕の左腕にも2ミリくらいのがあったのですが、先日冷凍凍結療法をしたところ、1回で綺麗になくなって痕も残っていません。

治療は老人性いぼの冷凍凝固と似たようなものです。

単なる液体窒素で凍らせる方法ですが、その当て方が強すぎると水ぶくれにもなりますし、弱すぎるとなかなかなくなってくれません。

まあ、この辺は長年の経験で大体このくらい強さで当てると丁度いいというのが分かっているので、外来で普通に行っています。

一回にあまり沢山はできません。

保険適応の治療なので、一回に一部位というか、顔面なら顔面、前胸部なら前胸部という風に範囲を限定して行っています。

病院に何回も来るのが面倒という方は、予約をしてもらって、局麻下にレーザーで治療します。

この場合は保険適応外になります。

費用は一個8000円~10000円くらいです。

どちらが綺麗に取れるかというとやはりレーザーの方が結果が良いと思います。

まあ、その方の考え方で、時間がかかっても徐々になくなればいいという方は冷凍凝固、さっさと一気に沢山取ってしまいたいという方はレーザーをお勧めしています。

普通の皮膚科に行っても「老化だから放っておいていいよ」と言われることが多い老人性血管腫ですが、やはり美意識の高い方は取り去りたいようです。

僕は、見栄えに関してはその人の考えに従って治療をすればいいと思っている方なので、積極的には治療をお勧めすることはありません。

でも、沢山あって目立つようなら、カッコ悪いので、僕も取ってしまいたいと思う方です。

やっぱり見てくれは大事なのです。

 

 

日々に新たに 827 顔面の赤い疾患

東京で桜の開花宣言がされましたね。

毎年のことですが、この便りを聞くとホッとします。

一昨日、東京に行っていたのですが、その時は飯田橋、市ヶ谷や靖国神社辺りの桜は全く咲いておらず、桜のつぼみも硬いままでした。

実際に散歩していたので桜の開花はまだだな~という印象でしたよ~。

そして、昨日の開花宣言!

ついつい本当かな??と思ってしまいます(笑)。

茶色いシミ、青あざ、悪性腫瘍と来て、次に何かをと思うとやはり赤かな~~。

顔面に多い血管腫としてよく遭遇するのが、歳をとってくると出て来る老人性血管腫でしょうか。

一般の方は赤いホクロという表現をされる方が多いですね。

これも、老化の1つの現象です。

そして、もう一つはクモ状血管腫、あるいは毛細血管拡張症なども赤い。酒さと言われるものも赤い。

脂漏性湿疹も赤くなる。

最近特に多い(スギ、ヒノキの花粉の時期)アレルギー性の皮膚炎でも肌は赤くなる。

もちろんこれらは血管腫ではありません。

赤ら顔の原因も色々あるのですが、やはり基本的には毛細血管の拡張と血液のうっ滞が原因のようです。

漢方で言う於血も影響していると思います(毛細血管に血が滞っている)。

もちろん、教科書的には子供さんに多い血管腫は、単純性血管腫、海綿状血管腫、イチゴ状血管腫です。

さて、何からお話を始めたらよいか、。

今回は肌の老化をテーマとしているので、まずは老人性血管腫から始めることにします。