トン先生のほんねトーク : 日々に新たに 901 擦り傷の治療 4

日々に新たに 901 擦り傷の治療 4

さて、擦り傷。

擦り傷がある程度治って皮膚も出来てきて、擦り傷の部分は赤い状態になります。

で、他の医療機関では「これでおわり~」となるのでしょうが、形成外科である当クリニックではそうはいきません。

というのも、赤い部分は1ヵ月後に色素沈着を起こしてくることもありますし、部位によってはケロイド(赤い盛り上がり)になってくることもあるからです。

顔では、上口唇の部位はケロイドになりやすい。

肘、膝もケロイドになりやすい、、。

顔では、擦り傷の部分が1か月後に色素沈着を起こしてきて、茶色が目立ち、その色素沈着は紫外線防止もきっちりしないとシミになってしまうこともあります。

茶色になって来るようだったら、ビタミンCの内服も必要になるのです。

一旦茶色の色素沈着を起こすと、薄くなるのに最低でも半年はかかる、、。

まあ、擦り傷の深さや範囲、あるいは本人の体質にもよりますが、大体は皮膚が出来て患者さんは安心しますが、僕はその後の経過が分かるので、いつも口を酸っぱくして「もし、茶色になったり、傷が盛り上がってくるようだったら早めに受診して下さいね」と言っています。

傷は管理するものです。

きっちりしたことを言うと傷が治るには約1年かかります。

傷跡を目立たなくさせる、、。

これは形成外科医の使命だと思っています。