トン先生のほんねトーク : 日々に新たに 807 ホクロ
日々に新たに 807 ホクロ
昨日の外来は午後が無茶忙しくて終了時間を大幅にオーバーでした。
どうしちゃったの?って感じで、一生懸命診療しても全然カルテが減らない、、(汗)。
やってもやってもカルテが増えてくる、、。
スタッフの皆さんもご苦労様でした。
で、今日は土曜日でどうなることか、、。
あまり混まないといいのですが、、。
そうそう、若い人はそうでもないのですが、高齢者になるとホクロだと思っていても、ホクロではなく、日光角化症、稀に基底細胞癌や有棘細胞癌のことがあるので注意が必要です。
どこの部位に多いかというとまずは顔面。
顔は日光の刺激を常に受けているので、長年日光に当たるような場合にできることがあるのです。
ほとんどの場合、加齢による脂漏性角化症のことが多いのですが(あ、ほとんどの方は脂漏性角化症をホクロだと思って、初診申し込み書にもホクロが大きくなったと書いています)、ダーモスコピーで診ると悪性を疑うような場合もあります。
特に60歳以上の方は要注意です。
悪性が疑われる場合は、やはり切除縫合をすることになります。
当クリニックでも悪性腫瘍だったという症例も年間5,6件あります(確立にして1~2%です)。
腫瘍が大きく、初診でこれは絶対に癌だと判断した時にはすぐに大きな病院に患者さんを紹介します。
あと、気をつけなくてはいけないのが、足の裏や足趾に多い悪性黒色腫です(これはめったにありませんので普通はまず大丈夫です)。
一見ホクロのように見えますが、ちょっとでも怪しい場合はなるべく早く切除縫合を行うようにしています。
ホクロの切除縫合の場合は必ず病理検査を行います。
病理検査の結果が届くのは約1週間後です。
怪しい場合は患者さんも不安でしょうが、僕もスタッフもとても心配です。
悪性黒色腫の悪性度は非常に高いので、転移の有無を全身的に検索する必要があり、これも金大や県立中央病院、医科大にすぐに紹介することにしています。
ホクロが急に大きくなった、血が出た、あるいは周りに茶色のしみ出しが出てきたなどの場合はなるべく早めに医療機関を受診した方が良いのです。
あまり脅すわけではありませんが、ホクロは時々観察しておく方が良いと思っています。