| トン先生のコラム 徒然 その5 |
| 1 枝垂桜 | |
金沢の主計町(かずえまち)の公園に、毎春楽しみにしている枝垂桜があります。 8年位前から毎春、夜に1、2回は見に行くのですが、これが素晴らしく綺麗なのです。 妖艶な熟女の手招きを受けているかのような感じで、ついつい、その香りと咽ぶような妖気に誘われ、毎年観に行っています。 桜の花の真下に立つと、頭の上から、花が降り注ぎ、頭から足まで、枝垂桜という滝のシャワーを浴びているような感じになります。また、その香気で全身を包まれるために、まるでこの世を離れて夢を見ているような感覚に陥ります。 桜が"私を見て!ほら、こんなに綺麗で色気のある私を見て!"と僕に語り掛けて来ます。枝垂桜は、夜の明かりの中、淡い桃色のボーッとした蜃気楼のような光を発してピンクの芳香を放ち続けます。本当に素晴らしく、ついつい時間を忘れてその場に居続けてしまいます。 少し距離を置いて、浅野川の橋の上から見るのもお勧めです。主計町の古い町並みと夜の明かりの中、ボーッとした桜の桃色の妖光が綺麗に浮かび上がります。 今年も夜、見に行ったのですが、その時ふと、朝はいったいどういう感じなのだろうという思いに至り、天気の良い早朝6時半頃、枝垂桜を見に行ってきました。 するとこれがまた凄い! 朝の清々しい光の中、枝垂桜はキラキラと何も知らない少女のような可愛らしさを見せて咲いていました。夜の妖艶さなど何処に行ってしまったのかと思えるほど、純真無垢な感じで、可愛く、健康的に、光の中でキラキラ咲き誇っていました。 僕は、枝垂桜は、こうも変身するものかと、ただただ呆然とするばかりでした。そしてその変わり様に、女性の変わり様をついつい重ね合わせて、男には理解できない女性というものの凄さを思い知らされて、拍手さえ送りたい気持ちでいっぱいになりました。 朝と夜、どちらの美しさも本物です。朝は少女の可愛らしさ、夜は熟女の妖艶さ、どちらも美し過ぎるくらい美しい!その美しさの両面を見ることが出来たことの嬉しさと幸福感でその場をあとにしました。 皆さんも機会が在れば是非ともご覧になって下さい。素晴らしいの一言に尽きます。 (2007.4.28) |
|
| ←2.医の倫理、若い医学生に言いたいこと | |